Home  |  Newsletter Table of Contents   |   Previous Page of Newsletter   |     Next Page of Newsletter

The Use of Focusing by Afghan Aid Workers
アフガン救助隊員によるフオーカシングの利用

パトリシア オミディアン (Patricia Omidian)

パキスタン・アフガニスタンでの人道的援助調整コンサルタント

パトリシア・オミディアンは17年間アフガンで難民生活した経験を持つ医療人類学者である。彼女はアフガニスタンに住み、ダリ語を話す。

同僚のニナ・ローレンスと私は1年前(2001年3月)からパキスタンのペシャワルで、人道主義援助のコーディネータ(CHA)と呼ばれているアフガニスタンの無政府組織からの11人の運営幹部や健康管理スタッフに対してワークショップでフォーカシング・プロセスを教え始めました。その目的は、アフガン難民とアフガニスタンとパキスタンで働くアフガン救助隊員の援助と、特にアフガニスタン内を広く移動する救援隊員の援助でした。私たちは、第一回目のワークショップで訓練を受けた人のほとんどが今でも自分自身でフォーカシングをしていることを喜んで報告します。

ワークショップの後に、CHAスタッフはすぐに仕事での緊張や怒りのレベルが減少したことを報告しました。CHAの監督者は、管理者の問題処理能力が改善したことにも注目しました。一人の管理者は次のように言っていました。「私を苦しませていたいつもの家族問題や戦争についてのいつもの苦痛は私の緊張と怒りを増殖させていました。しかし今は、それは良くなり、プレッシャーは少なくなりました」。CHAスタッフは自分自身の状況の心配や不確かさにもかかわらず、どれほどフオーカシングが問題を乗り切り、未来への希望を持つ助けとなったかを述べ続けています。

このプログラム全体が始まったのは、私が健康と心理社会的ウェルネスのスタッフだったときに、CHAによって、戦争のトラウマやスタッフのための救助活動を取り扱うプログラムの開発を頼まれたときでした。アフガン救助隊員は重大な危険に直面していました。アフガン救助隊員とのインタビューでは、ほとんどの隊員は戦争中に彼らが直面したトラウマや、フラッシュバックや侵入的な思考、無統制の怒りやうつ、将来への恐れのために現在も仕事を行なうことが困難であることが話された。男性の多くは投獄され、暴力を受け、拷問を受け、日常生活から怒りや他の感情を解消することが難しいことが分かっていました。女性のスタッフもまたタリバンや連合前線勢力によって嫌がらせを受け、暴力を受けていました。以前のRabbani政権の元での生活もまた、残忍であり、スタッフにより多数の人々の人権が乱用されていたと言及されています。

災害救援者が仕事の情緒的ストレスを緩和させるためのディブリーフィングは、西洋では標準的な手続きですが、このようなサービスはアフガニスタンでは珍しいものです。そのような中で、CHAはスタッフへのメンタル・ヘルスのプログラムを始動させました。2001年3月に行われたフォーカシング・ワークショップからそれは始まりました。ニナ・ローレンスは3ヶ月の間プログラムを行い、8日間のフォローアップを行い、個々の人々を手助けし、メンタルヘルス・チームの訓練に助力しました。ニナは2001年8月にアメリカへ発ちましたが、彼女は一緒にワークをし、励ました人々の多くへ、今でも手紙を書きつづけています。彼女の功績によって、学びたい人は誰でもフォーカシングを習うことができるようようになりました。

ニナと私を惹きつけたことは、フォーカシングを教えようとした第1回目のワークショップでした。ここで、フォーカシングは適切なメンタル・ヘルスのツールであることを教えられました。私たちは、それがうまくいくかどうかわからなかったのですが、やってみるしかありませんでした。私たちは彼らが内なる感覚を感じられるようになるために、簡単な練習を行い、それを現実的に感じてもらえるように、スーフィー教の詩歌を使用しました。それから、傾聴とフォーカシングのペア・ワークを行いました。ワークの最後に、一人の男性が私たちを驚いた眼差しで見つめていました。彼は長い間、からだの半身に痛みを持っていた。彼はそれをストレス性だと思っていました。そして、彼がそれにフォーカスした時、それは無くなったのです。彼は驚いてただただ座っていました。そして、このときの驚きについて今も語っています。彼は今でも一人でフォーカシングをしています。

第一回目のワークショップで訓練を受けたアフガン女性の一人、ミナはフォーカシング・プロセスが大好きだったので、彼女は求められると誰にでも指導していました。私たちはフォーカシングがまさにスーフィー教であり、アフガン人は容易にフォーカシング・プロセスに反応するということを発見しました。ある人は、長年スーフィー教の教義を研究していていましたがプレセンスの会得の仕方を理解できなかったと言います。しかし、今、彼は知っているのだと言っています。

私が一緒に仕事をしたアフガン人たちはスーフィー教がフォーカシングの基礎であると理解し、彼らは自分たちの方法を取り戻しているように感じています。フォーカシングはイスラム教の原型にとても合っていました。例えば、コーランの中のスラが「アラーはあなたの最大の弱点よりもあなたにとって身近である。」と言っていることや、「アラーは泥からアダムを作った。彼はアダムに息を吹き込み、少しだけ自分を吹き込んだ」と言ったことと似ています。これらはアフガン人にとって、彼らがアラーに接触することやプレセンスはアラーであるというスーフィー教の教義と同じ意味をもっています。それは、非常に強力なものです。

フォーカシングが選ばれた理由の一つは、深い心理的な作業を信頼と開示の倫理的なジレンマなしに行なうことができるからです。フォーカサーは言うことを自分でコントロールできます。また、治療を受けるものは彼らの心理的な問題に一人で、あるいはただリフレクションをしていくれるリスナーと一緒に取り組むことができます。リスナーは問題の本質を必ずしも知っているわけでもなく、プライベートな問題を暴露されずにすむので、信用を無くす危険がありません。ここではに通常の対話的セラピー・プロセスには問題があります。アフガン人は家族についての秘密を他人に話すことはできません。それはただただ、許されないことなのです。私はアフガン人にとってのコーピングやウェルビーイングのモデルを探しました。私は、あまり長い紹介を必要としない土着のモデルを探していたのです。文化人類学者として、その文化で機能するものを推進したかったのです。地元のコンテクストが最も重要なのです。フォーカシングは地元のコンテクストに最適です、特にプライバシーに関してはそうなのです。

私たちはグループや個人に対して、例えば8歳程度の子供にさえ指導をしました。私は、アフガン人にとって、フォーカシングを習うのにグループ・プロセスはとても適していたと思います。同僚へのサポートはとくに好まれているようでした。私たちの唯一の問題は、不馴れなフォーカサーは深い状態に、トランス状態へと入りやすい傾向があるということでした。私たちはいくつかの方法でトランス状態が起こらないようにしようとしていました。私は彼らとゆっくりとプロセスを進むように試み、また彼らと話しながらプロセスを歩むようにしましたが、これらは役に立ちました。アフガン人はこれをとても簡単にこなしていました。私はこれは、彼らの儀式的な祈りのためであると思います。もしも正しく行なったなら、祈りはフォーカシングのレベルを必要とするものだからです。

訓練において、私たちはRUMIの詩(コールマン・バークス訳、”The Guest House”<来客の家>)を使用しました。なぜなら、アフガンの文化では、望まれた客であろうとなかろうと、客人への親切は誇りとされているので、これは有用な比喩でした。一番最近のワークショップでは、国際援助委員会(IRC)の女性教育プログラムのスタッフのうち、6人の女性がフォーカシングがとても有用で、心理社会的健康の指導者養成に利用できるとしていました。

女性たちは、彼女たちが心理社会的問題をもつ子供たちを助けることができる前に女性スタッフ自身や教師を援助する必要があることを理解していました。彼女たちは、彼女たち自身が今、働いている難民コミニュティーと同様に、家や故郷から退去させられ、家族を失い、愛する人とのつながりを失っていました。唯一の違いは、この女性たちは家族よりも良い給料で雇われていたことでした。夫や父親、兄弟に職がない状況では、このこと自体もまた、問題となることがあります。

私たちはRUMIの詩のように、フェルト・センスを内なる客として出会い、多種多様な感情に出会いました。フォーカシングによって、スタッフの多くは静けさと開放を感じることができました。あるセッションでは、直面した感情はとても強く、戦争のとても苦痛に満ちた記憶を呼び起こさせましたが、彼女たちはそのことについて率直に話してくれました。最終的には多くの人は痛みの緩和やクリアーなスペースを見い出すことができ、居心地のよい空間を感じることができました。必要ならば、一対一でコンサルタントの面接を受けることも認められています。いっしょに分かち合った話は恐ろしいものでしたが、彼女たちは、いろいろな派閥の残酷な体験について話すことができ、それらがどのように生活に影響していたのかを語りました。それは涙と深い感動に満ちた時でした。

私は最初の訓練の後は、ほとんどのアフガン人は傾聴のパートナーを使うことを望まないことを知りました。私はここで指導した人々の間に、これは共通して言えることだと思います。しかし、つい最近、週に一度ランチタイム・フォーカシングのグループ・セッションを行なのはどうかと尋ねられました。私はこれはいいアイデアと思いました。なぜなら、私はアフガン人ではないので、このようなセッションを指導するのに安全な人と見られているからです。その上、私に尋ねた人たちは、私の声が好きで、声のトーンとピッチが役立つと言ってくれました。

CHAのCeReTechs 支部のスタッフがアン・ワイザー・コーネルのセッションからフォーカシング・ガイドカードをDari語に翻訳しました。私はこれを広く使い、文化的修正を加え、それが役立つことを見い出しています。また、私たちはアンの本をDari語へ翻訳しており、現在、約半分ができています。

私に連絡していただくことを歓迎します。ただし、私はペシャワルにいるときにしかお返事できないでしょう。アフガニスタンではE-mail もありません。同様の状況や難民救済のお仕事をしている方々からのご意見を頂戴したいと思います。

 

パトリシア・オミディアン (Patricia Omidian)はアフガン難民コミュニティーにおいて17年間の経験をもつ医学人類学者である。彼女はアフガニスタンに住み、Dari語を話す。彼女の連絡先を示しておきます。 drpat@pes.comsats.net.pk

(翻訳:永井・池見)

 Newsletter Table of Contents   |   Previous Page of Newsletter   |     Next Page of Newsletter

See our Trauma section

This page was last modified on 04 May 2004

All contents Copyright 2003 by The Focusing Institute
Email comments to webmaster