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ハインツ-ヨアヒム(ハイホ)・フォィャシュタインとディーター・ミュラーは1970年代後半に,ドイツ・ハイデルベルグでクライエント中心療法の訓練を受けているときに出会いました。彼らは心理学や訓練の面では興味を共にしていますが,性格やスタイルはずいぶん違います。お互いの違いがうまく補い合っていて,二人で一組の強いチームになっているそうです。
「私の最初のフォーカシング体験はうまくいかずイライラするものでした」とハイホは思い出して語ります。「1978年に私はクライエント中心療法のドイツ語の本を読んだんですが,その一章がフォーカシングに関するものでした。」ハイホはその教示を同僚と試してみましたが,どちらもそれほど感心するほどのことは起こりませんでした。「ただなぜか,私はあきらめなかったんです」とハイホ。
ディータは,その頃,リンダ・オルソンのワークショップでフォーカシングの味を初めて体験しました。「クライエント中心療法には何かが欠けているとずっと思っていた」とディータは言います。そして,フォーカシングを体験したところで,すぐにそれがその欠けているところを補うものであると感じたのだそうです。「クライエント中心療法ではときに,私たちは話し続けるだけになり,問題の核心に到達できないことがあります」とディータは説明します。「でも,フォーカシングは内側に入る方法を与えてくれます。」
フォーカシングを発生地で学ぶために,ハイホとディータは,シカゴに行く方法を画策しました。そして,サイコロジカル・トゥデイのドイツ語版の編集者に,ジーン・ジェンドリンへのインタヴューの提案を申し込んだところ編集者が賛成してくれたのです。ディータは1983年にシカゴに着いたときの驚きを忘れられないと言います。「想像していたのはドイツのクライエント中心研究所のような大きな研究所だったのに,あるのは郵便受けだけだったんですから」とディータ。
しかしながら,彼らのフォーカシングの体験と,ジーンの人への関わり方を見ることは,彼らの期待を大きく上回るものでした。彼らはジーンにドイツ語でインタヴューできましたから,そのことも理解の助けになったのでしょう。 「感動したのは,明確ですばらしい方法で,実際に起こっている内的な過程にフォーカスするやり方でした。」とハイホは語ります。「実習や遊びのようなやり方ではなく,本当に直接にそれに触れていったことです。」
ディータはドイツとギリシャをフォーカシングを教えるために行き来している。お気に入りの詩の抜粋は彼のギリシャの印象を表している。 |
それ以来彼らは毎年,一週間研修や会議に通うようになりました。1986年には,トレーナー資格を取り,翌年にはラインハルト・フックス(1991年若くして亡くなりました)とともに,フォーカシング・センター・カールスルーエ(FZK)を設立しました。そして1994年には,初めてシカゴ以外での国際会議を,ドイツのプフォルツハイムで開催しました。国際会議はその後も同じ場所で1997年,2000年にも開かれ,またこの春にも行われます。16年以上にわたり,ディータとハイホは1000人以上の人々にフォーカシングを教えてきました。ハンス・ユルゲン・ヘリンガーというアウグスブルグ大学の言語学者とともに,二人は, CD-ROMも製作しています。ドリーム・ワークや慢性痛への対処や意志決定,そして,文化間の共感を深めるための誘導イメージなどについてのCD-ROMです。 FZKで主に焦点を当てているのは,体験的方法を伝統的概念や心理学的方法と交差させることです。フォーカシングを単に他のアプローチに加えるだけでは十分ではないと彼らは説明します。目標は,心理学の伝統的形態を体験的な観点から再構成し再構想することなのです。例えば,FZKでは,カウンセリング,コーチング,スーパーヴィジョン,フォーカシングを提供するのではなく,体験的なスーパーヴィジョン,体験的コーチング,体験的カウンセリングを提供しています。
ディータとハイホは常に,自分たちの訓練生が自分自身の概念を作りだすことを奨励しています。卒業生の一人はフォーカシングを俳優の基本訓練の一部として活用しているそうです。スピーキング・サークルに応用している人もいます。フォーカシングを「ヒッポ・セラピー」(多動な子どもへの乗馬による治療)に統合した新しいアプローチも,FZKの卒業生クルト・シュレイによって開発されています。クルトは,前回の国際会議では自分の馬を会場に持ってきて,自分の実践の発表をしました。
「自分のフォーカシングの根源は,最初のクライエント中心の訓練にたどり着きます」とハイホ。「私は体験的アプローチの深さを段階的に知ってきたように思います。有機体を尊重するという大まかな概念は,最初私はロジャーズから学んだものですが,それが非常に明瞭簡潔なものになりました。フォーカシングを集中的に体験することで,---クライエントとしてもセラピストとしても---すべての心理学的な仕事における変化と関係についての理解は大きく変わりました。それはセラピーもスーパーヴィジョンもコーチングも訓練もコンサルティング等すべての心理的な仕事について言えることです。
「さらに,ジーンのフェルトセンスのプロセス概念は,私にとってより一般的な興味の一例なのです。つまり,実践や日常生活の中でどのように心理学的概念を正確に使うことができるためにはどのような概念を創り出せばいいのだろうか,厳格な宗教的法則のような単純な規則を誰にもいつでも適用できるといったものではなく,一般的な概念を状況の中の人という具体的に体験される配置の中に戻して,缶詰に入れられた生活体験を再び活性化させ,納得がいくことで変化を生み出すには,どうすればいいのかということに関心があります。一般的な概念と状況の中での人をつなぐ欠けていた輪が,感じられるからだ(フェルト・ボディ)であり,それによって,生を進める変化のプロセスが完成するのです。この体験的なアプローチは,私の個人生活でも職業上の仕事でも役に立っています。
ディータによると「フォーカシングは私の核となる方法です。セラピストとしてもスーパーヴァイザーとしてもいつもあるものです。他の方法をいろいろと使うことはありますが,フォーカシングがもっとも重要なものです。人生上の大きな決断をするときにはいつもフォーカシングで確かめてきました。そして,フォーカシング・コミュニティはとても特別です。他の科学的なコミュニティでは議論や知的な内容ばかりになりがちです。フォーカシング・コミュニティはもっと全体的です。知性や思考だけでなく,気持ちやつながりや友情があります,すべてがあるのです。」 ***
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