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 Bob Sikkema ボブ・シッキマを追悼して

Mical Sikkema  ミカル・シッキマ

「私の真の姿である沈黙の中で,すべては受け入れらていく」    ボブ・シッキマ 

 今は悲しみのときです。フォーカシング界だけでなくより広い世界は,コミュニティのすばらしい一員を失いました。そして私は,愛する夫でありフォーカシング・パートナーであったボブを失いました。2002年9月22日18:00時,彼の瞑想の鈴が三回ならされた後,彼を世界につなぎ止めていた呼吸器が止まりました。そして,愛する人々の小さな輪の中で彼は死を迎えました。ボブが突然の病に病院に運び込まれたのはそのたった4週間前のこと,集中治療室に移され薬によって眠らされてからも3週間しかたっていませんでした。56歳でした。

  ボブは,クライエント中心療法心理臨床家であり,オランダ・ヘンゲローの精神保健研究所の臨床スーパーヴァイザーでした。また,フォーカシング研究所の認定トレーナーであり,コーディネーターでもありました。彼は私と一緒にアメリカ合衆国に定期的に訪れ,シアトル大学でフォーカシングのワークショップを共に指導していました。 

  私たちは,ドイツ・ホーヘンヴァルトの国際会議で出会いました。ですから,私たちの関係には,深くフォーカシングが根づいていました。フォーカシングは,私たちが工夫し共に指導してきたワークショップの基礎になっています。しかし,もっと基本的なのは,フォーカシング的な態度を大切にすることが,私たちがこの国で新しい人生を共に築いていくための,細やかで深い土台だったことです。さらに,ボブが22年間にわたって続けていた座禅と,彼の深く変わらない信念,癒しや成長の方向へのびていく命を肯定するエネルギーを人が持っているという信念は,彼の足元を揺るぎなく支えていました。 

 ボブがそこにいて注意を向けてくれるその強さと純粋さは,たぐいまれな質のもので,人を常に深く動かすものでした。ここに葬儀の席で述べられたことばを少し紹介しましょう。

 配慮深く,あふれんばかりの忍耐と愛で持続的に関わることで,彼は人がその人に戻っていくのを助けてきました。今でも私には彼の昔のことばが聞こえてきます。「もう落ち着いてじっとして。その人たちに空間をあげるだけでいい,・・・必要なものはくるから。」彼は助言やすばやい解決にはこだわりませんでした。よいものには時間がかかる。仕事でも彼はそうでしたし,仕事以外の人生でもそうでした。                                                                                            クラース・ヴァン・ダイク  

 彼は,自分自身をまったく前面に出すことなく,すべての注意と関心を友人たちに向けていました。謙虚な人でしたが,決して踏みつけにされたり追いつめられたりということはありませんでした。自分の望みをよく知っており,自分の望まないことは非常によくわかっていました。ボブを追いつめることはできませんでした。しかし,彼はすべての人に空間を与え,すべての人がその人らしくあることを許す人でした。                                                ハリー・ダイクス  

 地面は彼の足元ではしっかりとしており,彼には全幅の信頼を置くことができました。ボブは最上級の形容詞でしか考えられません。彼と関わることの唯一の欠点は,それに比すると他の友情が色あせてしまうことでした。彼との関係の中で生まれることの深と強さに比べると色あせてしまうのです。                                                ハンス・ヴァン・ドールン

 ボブは,楽観的な人でした。彼は,よきものが来て,人は必要なものを受けとれるという断固とした確信を持っていました。それぞれの人の個性の力への彼の信頼は岩のように固いものでした。

 そして,今このことばを読みながら,私が思うのは,私にはもっともっとボブについてまだ言われていないことで言いたいことがたくさんあるということです。しかし,それを語ることはできません。結局のところ,ことばはない・・あるいは足りないのです,・・本当に誰かを「十分」に記述するには。そして,特にボブの場合には。一方で,一つの短い文,彼の死を伝えるカードからの一文はかなり近いものだとも思います。ボブ・シッキマ:限りない愛の人。

2002年11月27日水曜日

頼みもしないのに時は流れ、
夜になっても安らぎは訪れない。
影のないこの世界はすべてが闇だ。
それを和らげようとする蝋燭の懸命な努力も、
無駄に終わる。
私の心臓は動いているけれど、
いったいなぜ動いているのかわからない。
私の肺は呼吸して、私に直接思い出させる。
もう呼吸しない、
もう呼吸できない肺のことを。
そう、あなたの肺・・・
すべての道はローマに通ず。
私の考えや思いのすべての道は
あなたに戻っていく。

あなたの喜びにあふれた顔、
見られることを喜ぶ笑顔、
私がその写真を撮ったときのあの笑顔、
それはあなたの精神そのもの、あなたの無防備さ
それはまるでガラスの中の蛾のよう
フィルムの枠に閉じこめられて。
でも、あなたは自ら望んでとらえられている
そして私はその笑顔に、恥ずかしさも疑いもなく
私を見つめているその笑顔に感謝しつつ生きる。

どうして生き続けることなどできるだろう
こんなにも大きな穴が、
自分の存在の真ん中にあいたまま。
それ以外の器官はすべて元気でも
あなたも前は同じように元気だったのに・・・
でも、腸は悲しみで引きちぎれている

私は一人ここに残され
あなたの赤い椅子に座っている。
おなかにはいっぱい疑問を抱えて、
そのすべての質問の答えはだた一つだけ
                                      わからない、
                    わからない、
                    わからない。

                     ミカル・シッキマ

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